見えない星に耳を澄ませて
読了。9月12日。
音楽療法士コースをとった音大生と、彼女を取り巻く環境の話なのだけど。
なんというか、そうだなあ。
“救われない話“ だと思った。
この話が始まってから終わるまで、誰ひとりとして救われなかった。そう簡単に救えるものでもないのだろうし、たぶん、これが現実なのだけど。
だれも救われないまま話が進んでいって、ときが流れていって、最後に突然真実だけをポンと投げられて終わったので。おれとしては随分と消化不良な話だな、と。
これはネタバレになるのだけど、よくあるドラマや映画の、「精神科医が実はいちばん精神を病んでいました」みたいな、結末。
登場人物たちの抱えるものに寄り添っていこうという主人公はいとおしかったけれど、それと同時に綺麗事の寄せ集めのようで苛立ちもした。自分から目を逸らしている人間に「あなたのことを解りたいです」と言われてもなにも響かないよね、という感じで。
あなたはこの本をだれかにおすすめしますか?と問われたら、答えは「いいえ」です。
以上。
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